相撲には欠かせない行司とは?番付書きや相撲字の習得も仕事!

相撲は日本の国技として、老若男女問わず人気が

ありますよね。

相撲の主役はもちろん力士ですが、相撲には欠かせない

裏方がいます。

力士と共に土俵へ上がり、きらびやかな装束で軍配を裁く

「行司」です。

土俵上の姿の他にも、様々な仕事や役割があるのは

ご存知でしょうか。 

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今回は番付と相撲字についてです。

意外?番付は行司が書く

TVの大相撲中継を見ていると、TV画面や電光掲示板などで

筆太で力強く書かれた、独特の文字を見ることがあります。

あれを「相撲字」といいます。

有名な書家が書いている…ということはありません。

あの文字を書いているのは行司です。

土俵上の裁きが上手でも、相撲字が書けなければ行司失格

と現役の行司が語るほど、行司にとって相撲字の習得は大事な

ことなのだそうです。

行司は基本的に全員番付を書きます(見習いを除く)。

先輩や師匠について基礎を学び、あとは自己研鑽で修得して

行きます。

また。相撲字習得のための講習会なども行われているようです。

その中でも、紙に印刷されて全国各地へ配られている番付は

行司の中でも特に字の上手な人として、選ばれた行司が書いて

います。

番付の書き手」としても評されます。

現在は、三役格行司の3代木村容堂が担当しています

(戦後7人目)

過去の主な「番付の書き手」としては、

10代式守与太夫(清三郎時代含む)、

26代式守伊之助(庄二郎時代)、

30代木村庄之助(容堂-林之助時代)、

36代木村庄之助(與之吉-敏廣時代)

が担当して来ました。

行司は全員番付を書くと言いましたが、他の行司は地方巡業や

イベントなどで使用される番付を書きます。

番付の特徴や書く際の苦労など

皆さんが目にする紙に印刷された番付は、原本から縮小

されたものです。

原本の大きさは模造紙とほぼ同等の大きさと言うことです。

完成までには10日から2週間程度の時間がかかるとのこと。

そして…紙に書くのではなく「板」に書きます。

なので、間違えるわけには行きません。

細心の注意を払って書くそうですが、それでも間違える場合が

あるそうです。

そんな時は、これもまた細心の注意を払って、板を削り書き直す

とのこと。

この番付には相撲協会に所属している人がほとんど書かれます。

人数としては800人~1000人にも上ります。

これだけの人数の名前を書いて、ミスが許されないという仕事。

番付を見てもお分かりの通り、太い字から細い字まであります。

何種類もの筆を使い分けて書くことも必要です。

文字の大きさによっても、微妙に文字が異なります。

それでも基本の形は崩さず書き上げています。

また、特に相撲字が上手い行司を「能筆」と呼びます。

「番付の書き手」は総評されることが多いのですが、それ以外でも

「能筆」と呼ばれた行司がいます。

 

名前が挙がる行司としては、31代木村庄之助、32代木村庄之助が

有名です。

この2名と「番付の書き手」を務めた、30代木村庄之助は

同期入門とのこと。同期で切磋琢磨したことが伺えますね。

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番付・相撲字に込められた意味

筆太な文字と評しましたが、相撲字は別名「根岸流」とも

呼ばれます。

番付を見ていると、隙間が無くびっしりと墨で埋め尽くされた

印象も持ちますが、それにはきちんとした理由があります。

大相撲の本場所や巡業場所などで

「隙間なくお客さんに入って欲しい…」

つまり、満員御礼を願って書かれているとのこと。

とは言え…最近は行司泣かせなこともあるのだとか。

それは…四股名が一文字の力士が増えたことがあります。

「勢(いきおい)」

「魁(さきがけ)」

「輝(かがやき)」

「彩(いろどり)」

と言った力士ですね。

数年前には。幕内で一文字の力士が番付上で並んだことが

あります。

当然空白部分が目立ってしまいますが、これには番付を担当した

行司も致し方ないと思ったそうです。

現在の書き手である3代木村容堂は、初めて担当した場所で非常に

珍しい「空位」の番付を手掛けたそうです。

こちらも番付編成会議で決まった番付なので、行司にはどうしようも

ないですよね。

↓↓ 空位の番付表

相撲の番付表

まとめ

相撲字について

「5年経って形になる人もれば、10年経っても書けない人もいる」

とはある行司のコメントです。

相当な研鑽が必要なようです。

番付以外にも、所属部屋の仕事の中で相撲字は頻繁に使われます。

所属部屋の様々な庶務をこなすことも、行司の大切な仕事。

そう言う面を考えても相撲字の習得は欠かせないのですね。

行司の掛け声・呼び上げの記事はこちら

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