相撲には欠かせない行司とは?掛け声や動作には個性があり!

相撲は日本の国技として、老若男女問わず人気が

ありますよね。

相撲の主役はもちろん力士ですが、相撲には欠かせない

裏方がいます。

力士と共に土俵へ上がり、きらびやかな装束で軍配を裁く

行司」です。

土俵上での姿の他にも、様々な仕事や役割があるのは

ご存知でしょうか。

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今回は、土俵上の所作や掛け声について書いてみます。

力士の呼びあげにも決まりがある

力士が土俵に上がる際、よく通る声で「○○に××」

と呼びあげる声は、大相撲中継を見ているとよく耳に

する声だと思います。

この呼び方は、力士の番付によって異なります。

土俵に上がる力士が、両方とも平幕以下の力士なら

○○に××」と呼びあげます。

これを「一声」といいます。

どちらか一人でも、三役以上の力士の時は

かたや○○、○○」「こなた××、××」と

呼びあげます。

これは「二声」といいます。

例外としては、十両最後の取り組みの際は、

三役以上の呼びあげと同様に

かたや○○、○○」「こなた××、××」と

二声の呼びあげをします。

その後「この相撲一番にて、中入り」の呼びあげが

続きます。

この他には、結びの一番の時、力士を呼びあげた後、

この相撲一番にて、本日の打ち止め」の呼びあげが

あります。

ちなみに千秋楽の場合は

この相撲一番にて、千秋楽にござります

と変わります。

結びの一番は通常、立行司の木村庄之助が行いますが、

2017年1月場所現在では、木村庄之助が不在のため、

40代式守伊之助が行っています。

この力士の呼びあげは、あくまでも本割(通常の取組)

に適用されるものです。

優勝決定戦では三役以上の力士でも一声で行います。

ただ、過去に横綱同士の優勝決定戦が行われた時、

裁きを担当していた25代式守伊之助は二声で呼び

あげをしました。

本割ではないのであまり厳密ではなく、行司の裁量に

委ねられるところもあるようです。

時間前の仕切りでの掛け声やルール

時間一杯になるまで、十両以上の取組の場合は、

1回~3回の仕切りを行います。

この時に行司の掛け声として、主だったものは

「構えて」「睨み合って」「油断なく」「見合って」

などがあります。

ここ最近では「構えて」が、一番よく聞こえると

思います。

この仕切りを行う回数は、土俵の進行状況によって

決められます。

NHKの大相撲中継は18時まで。

その時間内に収まることが、進行の原則となります。

かと言って、早く終わればよいというものでもなく、

概ね17時50分頃に、結びの一番が始まるような

進行になっていることがほとんどです。

話を戻して、この仕切りの際、同じ掛け声を2度

使ってはいけないという決まりがあります。

例えば、1度目の仕切りで「構えて」と言った場合、

次はそれ以外の掛け声を言うことになります。

筆者が印象に残る掛け声は歴代行司でいくつかあり、

24代式守伊之助「油断なく」と言う声。

張りのある、通る声での掛け声が印象に残っています。

もう一人は26代式守伊之助「睨み合って」

印象に残っています。

上品な呼びあげをする行司でしたが、特にこの掛け声は

好きでしたね。

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時間一杯の掛け声・所作は行司の特徴が出る

時間一杯になった時「時間です」「待ったありません」

「待ったなし」と言った掛け声がかかります。

今は立ち位置を変えずに言う行司がほとんどですが、

昭和の頃は、行司が仕切り線まで出て来て声を

かけていました。

現役では、三役格行司6代木村玉治郎が、その所作を

受け継いでいます。

その後「手をついて」「腰をおろして」「手をおろして」

と仕切り線に手を突くように促し、取組が始まります。

立ち合いの時、「はっけよーい のこったのこった…」

と続くのですが、「はっけよい」を言わない行司もいます。

言わなければならないというルールは無く、行司に

任せられている部分ですね。

勝負がつくまでの「のこった」は、各行司の持つリズムで

声がかかります。

ここが一番、行司の個性が出ると筆者は思っています。

取組中の掛け声で有名な行司と言えば10代式守与太夫です。

何と言っているのか全く聞き取れません(笑)

Youtubeに動画があったので、何度も再生してみましたが…

分からずでした。

取組中の掛け声で筆者が好きな行司は、29代木村庄之助

32代木村庄之助36代木村庄之助です。

29代木村庄之助は、やや滑舌が悪いところはありましたが

「はっけよい のこったのこった」がとてもリズミカルで、

聞いていて心地よかったです。

32代木村庄之助は特徴を表現するのは難しいですが、

低音で且つ通る声が印象に残っています。

また、土俵上の所作や動作が綺麗なこともあり、好きな

行司でした。

36代木村庄之助は「はっけよーい」を力強く呼びあげ、

「のこった」は高音でリズミカルな声でしたね。

所作や立ち振る舞いなどは、歴代の木村庄之助と比べても

劣らない風貌も好きでしたね。

まとめ

土俵上の所作や呼びあげ掛け声は、厳密な決まりがあると

同時に行司に任されている部分も多くあります。

なので行司の特徴が把握しやすいですね。

現役の行司はTVで見ることが出来ますが、引退した行司は

Youtubeでも観ることが出来ます。

個性あふれる行司の姿を是非ご覧になってはいかがでしょうか。

番付・相撲字の記事はこちら

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